ドライポイント画でペット肖像画を描く
鉛筆や水彩などに比べると聞きなじみの無い技法かと思われますがドライポイントとは版画の技法の一つです。細い針の付いた道具で銅版に絵を彫っていき専用の液体で色を入れ、プレス機などで紙に刷るのがドライポイントです。
しかしこちらで作成しているドライポイントは上記した手法とは異なり、透明なアクリルフレームに直接、絵を掘っていきます。掘った部分に油絵具で色を入れ、パステルなどで着色した台紙と張り合わせた物が完成品となります。他の技法(油絵を除く)で描かれた絵は額装を行いますがドライポイントは額に直接、絵が描かれている物とお考え下さい。版画と聞くと何枚も同じ絵を刷る事の出来るイメージがありますがこちらで作成しているドライポイントでは複製が出来ません。
制作に使うのは細い針の付いた道具。これで毛並み一本一本を細部まで丁寧に書き込んでいく為、筆や鉛筆とは違った密度のある描画が可能となります。また、彫られた線の中に色が入る事で、まるで焼印の様に見える所が特徴です。淡く色が乗った台紙にハッキリとした主線が栄える、温かみのある作品に仕上がります。
構図について
ドライポイントは『頂いた写真そのままの構図』で描いていく為、写真Aの表情で写真Bのポーズに描く、など他の技法であれば可能な部分的加筆が非常に困難となります。顔は鮮明に写っていても足元や尻尾がブレていたり物で隠れていて部分的に分かりにくい写真はドライポイントには不向きです。
子犬時代は抱っこ写真なども多いと思われますが、左の写真をそのまま絵にすると人の腕も描画する事となります。この様な場合は右上の写真のように、ペットの顔がメインに見えるようにトリミングを行う事があります。ご希望の構図などがありましたらぜひご相談下さい。
抱っこ写真
トリミング
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ドライポイントの注意点
このような状況を絵にしたいというならば問題ありませんが、ドライポイントではあまりオススメしない写真です。
このように体の大部分が見えない写真でも、その子の特徴となるなら箱入り、袋入り、何でも大丈夫です。そのまま絵と致します。
以上、ドライポイントの特殊な注意点を踏まえて写真のご用意をお願い致します。